Home : ホーム > News&Press : ニュース・プレス一覧 > アクセル糸偏コラム vol.1 リネン(麻)

Column

コラム

18

Jul

アクセル糸偏コラム vol.1 リネン(麻)

category : column  posted on : 2014/07/18

 四大天然繊維は麻、コットン、シルク、そしてウールです。その歴史は人々の暮らしとともに、と言っても過言ではないでしょう!などという机上の学習ではなく、毎日使い、肌に直接触れるものだから、上質なものを楽しみながら使いたい。そんなささやかな思いから天然繊維レッスン“糸偏コラム”をスタートします。それぞれ専門の識者に実践も含め、取材していきたいと思っています。

アクセル糸偏コラム vol. 1 リネン(麻)

 日本でも最近ようやく、日用品として身近に感じられるようになったリネン。「アクセル糸偏コラム」第1回目は、リネン アドヴァイザーの栗原邦子さんに、リネンの歴史と魅力、ちょっと意識を変えた使い方など、2回に渡ってお話を伺います。

               栗原

<その1> リネンは手の届く贅沢

 古代エジプトではリネンは“月光で織られた生地”として大切にされ、神事やミイラを巻く布に使われました。さらに遡って8千年前、チグリス・ユーフラテフ文明がリネン発祥と言われています。

「ヨーロッパではコットンより遥かに歴史は古く、小麦が育たない寒冷地や北欧では、麻を育てて暮らしていました」

 毎年自家栽培し織って布に仕立て、衣類や道具として使う———先史から中世にかけて、欧州各地でリネンの民族文化が広く深く根付いたと言われています。そして長い永い時間をかけて伝統を築き上げてきました。フランスやアイルランドのように、王朝文化を背景にしてブランド化された地域もあります。

「ヨーロッパではホームリネンは嫁入り道具のひとつであり、いずれそれが家宝となって代々受け継がれていったのです」

 栗原さんがパリで購入した本『おばあちゃんの秘密』に、戸棚の奥の秘密として古いリネンが掲載。おばあちゃんの人生を讃歌するとともに、その家の家風と品格を物語っています。

        CIMG2952   11

 ここで改めておさらいしておきたいのが、麻繊維とリネンの違い。麻繊維には亜麻、ラミー、ヘンプ、ジュート、ケナフなどがあり、一般に麻と呼ばれるのは亜麻=リネンのみ。そしてリネンだけが清涼感に優れ、柔らかくしなやかで気品があります。

「繊維の長いものが艶があり肌触りよく、おすすめです。値段は少々高いのですが、肌に直に触れるものは、できれば上質なものを選びたいですね。リネンは手の届く贅沢だと思います」

 栗原さんは、ベッドリネン、バスリネン、キッチンリネンというホームリネンのカテゴリーにおいて、革命的な改革を成し遂げた先人、プルムローズ ボルディエに師事。フランスのホームリネン“ランジュ ド メゾン”を中心に、伝統や美意識を伝えていきたいと、フィールドワークを広げています。

「リネンの吸水性はコットンより数倍優れ、速乾性も抜群。雑菌が繁殖しにくく衛生的でもあります。実は日本の気候にぴったりなのです」

 なぜ、根付かなかったのでしょうか?

「日本は長い間、手ぬぐい文化でした。戦後はアメリカから来たテリータオル(両面にループがあるテリー織りのタオル)が普及して、それと同時に柔軟剤も使われるようになって(苦笑)。柔らかくなるけれど、吸水性が悪くなりますよね」

 また、「ナフキン要らずの、箸を使う食文化もリネンを遠ざけた一因ではないでしょうか」でもこれからは、と栗原さんは続けます。

「年齢を重ねると、食事中に思いがけず、ぼろぼろとこぼすことがあって(笑)。そんな時、ナフキンの用意があると安心するの。そういえば、テーブルクロスとナフキンを使っている老人施設では、食欲を増進して食事がとても楽しい時間になっていると聞きました。また、ある学校では給食にテーブルクロスを敷くようになって、マナーが本当に良くなったという話も聞いています」

 ちゃぶ台ではなくテーブルで食事をし、多くの人がベッドで寝るようになって久しい日本、リネンの活用のシーンがもっとたくさんあるはずです。

 次回はテーブルクロスやベッドリネンの実践的かつ素敵な使い方を、ご自身のエピソードも含め、さらに詳しく伺います。どうぞお楽しみに!

              IMG_7934